うた絵本

……ひとの記憶は不思議なものです。昨日のお昼に何を食べたかは思い出せなくても
ごくごく幼い頃に母親の膝で食べた梅干入りのおむすびの味と、
白いご飯に記された紅色の梅干の色などは確かに覚えていたりする。
どうだんつつじの真紅になった薄い葉から、つ、つ、つーと滑り落ちていった朝の雨の粒もまた。
そして、それらのたわいない記憶が、今日を生きる力になってくれることもある。
幼い日々、人生の陰などなにひとつ知らないままに、大好きな大人と歌った歌が、
その子の長い人生の応援歌となりますように。