あやとりひめ

父を亡くし、母とふたりで暮らしていたアヤ。
その母も病気で倒れてしまいます。
「わたしがお前にのこしてやれるものは、この五色の糸だけだよ。………なにかの時には、役に立つこともあろう」
母が手渡してくれたのは、母がアヤにあやとりを教えるときに使っていた、五色の糸でした。
緑の糸で山、赤い糸でつり橋、紫の糸で網、黄色の糸ではしご、青い糸で船。
五色の糸を肌身離さず、アヤは名主の家に奉公に出ます。
ところが、アヤを疎ましく思った名主の弟に追い出されてしまい……。
ピンチが訪れるたびに、あやとりでつくった形が本物の山やつり橋などとなって現れ、アヤを守ってくれます。
勇気と思いやりのあるアヤが、母に習ったあやとりのふしぎな助けを得て、人生を切り開いていく姿を描きます。
巻末には、お話にでてくるあやとりのやり方を掲載。