秋田テスト用2
『シロツメクサはともだち』のおすすめポイント
みなさんは、シロツメクサの花を、ちゃんと見たことありますか?
見なれたつもりの思いがけない姿や、知ってるつもりの意外な生き方が、このまるごと1冊シロツメクサの絵本に、たくさんそっと詰まっています。
著者の鈴木純さんは植物観察家です。観察は誰でもできる科学の第一歩。与えられた知識の蓄積ではなく、自分の内側から湧き上がる好奇心と驚きの体験を生み出してくれます。シロツメクサにずんずん近づいて観察しながら、その秘密を楽しく一緒に発見していく本作は、植物というテーマゆえ知識の科学絵本と思われがちですが、人間と同様に命を持つ生きものに対する敬意と親しみ、そして私たちを取り巻く世界の美しさに満ちています。読み終えたらいつもの道が違って見えてきて、今度は自分の五感を発揮したくなることでしょう!
かがく絵本担当編集者に聞く!
お名前と略歴を教えてください
横川浩子(よこかわひろこ)さん
絵本、児童文学、YA、翻訳もの、図鑑など様々な児童書の編集を手がけてきました。現在あらたに取り組んでいるのは、日本で暮らす外国語母語の子どもたちが楽しめる多言語対応の児童書とその支援です。
かがく絵本を作るにあたっての想いや、心がけていること
事実関係に間違いがないか、子どもたちに分かりやすく伝えているか、何度も確認しています。でも、科学は日進月歩ですから定番の学説が新事実の発見で覆ることもあります。
たとえばカンブリア紀のいきもの「ピカイア」は脊椎動物最古のルーツとして長らく有名でした。絵本『ながいながい骨の旅』では校了間際に新事実が発見されて最新情報に修正しましたが、今後もさらなる新発見の可能性があることや、答えはひとつに決められないケースもあることを、著者の松田素子さんがまえがきに追記してくださいました。このように、最終的には絵本で終わらず、ページを閉じたその先まで読者に問いかけを残すことも必要かもしれません。
ご自身がちいさいころの「かがく」にまつわるエピソードや夢中になっていたものなどあれば、教えてください。
小学生のとき姉とお年玉で天体望遠鏡を買いました。レンズを通して土星の環を初めて見たときの感動は今でも覚えています。天文台で働く夢を抱きましたが理系が全然ダメすぎて文系へ。でも編集者になってから、憧れの天体写真家・藤井旭さんにお会いできました!