絵本特集:こころがよろこぶナンセンス長新太さんの絵本
【クレヨンハウス通信 No.525】
読んだことのある大好きなあの作品も、知らなかったこの作品も。
ひとりの作家さんにスポットライトを当てて、掘り下げてみると、たくさんの発見が!
今回は、日本の絵本作家・長新太さんの作品を特集いたします。
かつて内田麟太郎さんは「長さんの絵本を読んでいて生理的に気持ちいい」と言ったけどたいていの大人は、自分がわからないから「うちの子にわかるかしら?」と意味をつけたがる。
子どものように素直に、ああ気持ちよかった!
たのしかった! って言えない。
ずーっとナンセンスとユーモアを通した長新太さんが亡くなって、2025年で20年になります。
いまもって、子どもに大人気の長さんの絵本、まとめて読みたくなりました。
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長新太
(1927年 9月24日- 2005年 6月25日)
東京都生まれ。
1945年、映画の看板描きの仕事をはじめる。1949年、東京日日新聞の漫画コンクールで入選したことをきっかけに、長新太というペンネームで漫画の連載をスタート。1955年、新聞の休刊を機にフリーランスとなり、独立漫画派の仲間と同人誌『がんま』を創刊。1958年、絵本作家の堀内誠一さんの勧めで『がんばれさるのさらんくん』(中川正文/作、福音館書店/刊、現在品切れ)で、絵本作家デビュー。文藝春秋漫画賞や、国際アンデルセン賞国内賞など、多数の受賞作品がある。
絵本だけでなく、漫画、挿絵、装丁、イラストレーションエッセイなど幅広い分野で活躍。柔軟で斬新な発想の絵本を発表しつづけ、ナンセンス絵本の新境地を開いた。
10件あります
10件あります
「いちばんのライバルは子ども」と語った絵本作家
頭がゴムのおとこの子や、湖でシンクロナイズド・スイミングをするきょだいなおとこなど、奇想天外なキャラクターたち。カラフルな色使いで描く、あそびごころに満ちた独特な世界観。「ナンセンスの神さま」とも呼ばれた長新太さんの絵本たちは、「これはどう読んだらいいんだろう?」、そう思ってしまうこともあるかもしれません。けれど、絵本を閉じたあとも、なんとなくこころに残り、もう1度読みたくなる。「わからないけれど、なんだかおもしろくてクセになる」。そんな不思議な魅力を持った絵本は、いまもかわらずわたしたちを夢中にさせてくれます。