第4回「注意力と動きの予測」|発達を促すセラピー・トイ
発達を促すセラピー・トイ [月刊クーヨン]連載より
近年、発達障がい、と診断される子どもが増えています。
あかちゃんから、あそびを通して、段々と「ひと」になっていく……。その人間の発達観をベースとしたセラピー教具「TAG TOY」開発者であり、教育心理学博士のメストネック博士にお話を伺いました。発達障がいの原因のひとつに「あそびの不足」がある、とメストネック博士は言います。
[月刊クーヨン(クレヨンハウス/刊)2026年7月号]より転載
第4回 注意力と動きの予測
TAG-TOY「注意力と動きの予測をさせるトラッカー」
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世界中どの国でも玉転がしのおもちゃは販売され人気です。子どもを一瞬で惹きつけるそんなおもちゃのひとつですが、多くがちいさく低めに設計されています。
タグトイの「注意力と動きの予測をさせるトラッカー」はその逆で、高さがあるのが特徴です。というよりも、そこにこだわり設計したという点は、いまとなっては珍しいかもしれません。
この高さのおかげで、転がり落注意力と動きの予測をさせるトラッカーちたボールを土台のトレイからもう一度手に取るときに子どもはしゃがみ、またそのボールを上の穴に入れる時に立つという動作をくり返します。つまり子どもの屈伸運動をあそびながら促してくれるわけです。 

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これまでじつに多くの子どもがトラッカーであそぶ姿を見てきました。ときに保育施設などではふたりの子どもが向かい合いあそぶ姿もあり、一緒にあそぶなかで、相手のからだや手先の使い方を見てまねる機会になるようです。
ゆっくりでも自らのペースでからだや目、手を動かし使う(あそぶ)ことのくり返しが、子どもの発達には欠かせないことも忘れてはいけません。
”子どもの発達は速いほどよい”と大人は評価しがちですが、発達において大切なのは、スピードよりもひとつひとつの動きをていねいに何度も経験することであり、この積み重ねこそが、次につながる育ちなのです。

注意力と動きの予測をさせるトラッカー
大きくて、安全な素材でできた6個のボールが付属しています。ボールは頂上からジグザグな動きで、長い時間をかけて落下し、受け皿台に集まります。左右、上下とボールの動きを目で追うことで、注意力と集中力を養います。そして、ボールが最下段の箱に集まることを知ることで、ボールの動きを予測するようになります。
発達目標
(あそんでいるときに育つ発達)
●動くものを目で追う力(追視)
●目でものを捉えながら手を動かす力(目と手の協応)
●決まった流れを理解する力(推測力)
●しゃがむ、立つからだの力
あそび方
1:ボールを手にして、穴に入れて、ボールの流れを追視するようにうながします。
しゃがんでボールを取り、立ち上がってボールを入れる動作をくり返します。
2:それにより腰や脚の筋肉が鍛えられます。
3:ときにはボールを途中で止めておき、ぱっと手を離して一気にボールを流してみても。最下段に集まる期待感(イメージ)をもたせてください。
同じようなあそびができるおもちゃ pick up
Laurence M.Mestyanek(ラリー・メストネック)
南カリフォルニア大学でギルフォード&メーカー博士より知能構造理論を学び、教育心理学博士号を取得。1976年に、障がい児や軽度発達障がい児、学習困難をもつ子どものための「セラピー玩具」の開発をスタートし、TAG(Think And Grow)社を設立。日本では、国際臨床保育研究所が中心となって、メストネック博士のセラピー玩具を広めている。
https://www.tagtoys.com/勝山結夢(かつやま・ゆむ)
NPO法人国際臨床保育研究所・所長。創立者辻井正さんのもとで、おもに乳幼児の教育理論をまなび、セラピー教具の必要性にいちはやく気づき、普及活動に従事。現在も、保育者向けの保育法やセラピー教具をつかった研修に従事。この連載では、メストネック博士の原稿の翻訳を担当されている。
http://www.kiccc.or.jp/
