第6回「比べて理解する」|発達を促すセラピー・トイ
発達を促すセラピー・トイ [月刊クーヨン]連載より
近年、発達障がい、と診断される子どもが増えています。
あかちゃんから、あそびを通して、段々と「ひと」になっていく……。その人間の発達観をベースとしたセラピー教具「TAG TOY」開発者であり、教育心理学博士のメストネック博士にお話を伺いました。発達障がいの原因のひとつに「あそびの不足」がある、とメストネック博士は言います。
[月刊クーヨン(クレヨンハウス/刊)2026年9月号]より転載
第6回 比べて理解するかたちパズル
「大きさ・色・かたち」をひとつのパズルで学ぶロングセラー
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まる・さんかく・しかくの3種類の幾何学的なかたちを、それぞれ5段階の大きさにし、5種類の色をつけました。
子どもはこのあそびを通して、色やかたち、さらには大きさを探索したり、見分けたりすることをたのしみます。
ちいさなつまみがついたタイプですので、巧緻(こうち)動作とよばれる、親指とひと差し指で取「大きさ・色・かたち」をひとつのパズルで学ぶロングセラーっ手になるつまみをつまむ動作を使いながらパズルを動かしたり、元にもどしたりする手の動きを求められます。そのため、より脳に刺激を与えてくれます。 

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パズル板を大きくつくっているため、ひとりであそぶだけでなく、複数の子どもが「これはここだよね」「赤がいちばん大きいから、これも赤だよね」なんて話をしながらあそぶこともできます。実際保育施設ではそんな姿をたくさん見かけます。
もちろんおとなが一緒に並べ、あそぶようすを見ながら、子どもが学ぶ機会を用意してあげることができます。
「誰か」があそぶようすを見ることもまた、あそびです。見ているだけであっても、脳内で一緒にあそんでいるような動きをすることが研究で分かっています。ひとりでも、誰かとでも、何度もくり返しあそぶことで、順序性や規則性に気づき、さらに理解を深めることができます。

比べて理解するかたちパズル
15個の図形が、色別、サイズ順に並んでいます。このパズルのつまみは側面からしっかり固定されているため、外れることはありません。図形は鮮やかな原色で、パズルボードの表面から少し浮き上がっているため、それぞれの図形がはっきりと認識できます。それぞれの図形の合板材によるパズルピースには耐久性があり、水洗いも可能です。
発達目標
(あそんでいるときに育つ発達)
● 大きさ・色・かたちの違いを認識する力
●「 (だんだん)大きくなる・ちいさくなる」などの段階的な変化を理解する力
● 左から右、右から左
あそび方
1. 机の上にピースをバラバラにして、たとえば色が同じものを選びやすいように、「赤はどれ?」「黄色は?」とパズルを見せながら質問します。
2. まる、さんかく、しかく、と、かたちの名前を伝えながら、同じ大きさの凹み部分にはめていきます。その際、論理的に関係するもの、たとえばちいさいものから順番にはめていこう、など声をかけます。
3. 出っ張っている「つまみ」を2本の指でつまむ動作は、将来の「鉛筆」をもつ動作へとつながっていきます。
同じようなあそびができるおもちゃ pick up
Laurence M.Mestyanek(ラリー・メストネック)
南カリフォルニア大学でギルフォード&メーカー博士より知能構造理論を学び、教育心理学博士号を取得。1976年に、障がい児や軽度発達障がい児、学習困難をもつ子どものための「セラピー玩具」の開発をスタートし、TAG(Think And Grow)社を設立。日本では、国際臨床保育研究所が中心となって、メストネック博士のセラピー玩具を広めている。
https://www.tagtoys.com/勝山結夢(かつやま・ゆむ)
NPO法人国際臨床保育研究所・所長。創立者辻井正さんのもとで、おもに乳幼児の教育理論をまなび、セラピー教具の必要性にいちはやく気づき、普及活動に従事。現在も、保育者向けの保育法やセラピー教具をつかった研修に従事。この連載では、メストネック博士の原稿の翻訳を担当されている。
http://www.kiccc.or.jp/
