たきぐちテスト用2:TAG連載

発達を促すセラピー・トイ [月刊クーヨン]連載より

近年、発達障がい、と診断される子どもが増えています。
あかちゃんから、あそびを通して、段々と「ひと」になっていく……。その人間の発達観をベースとしたセラピー教具「TAG TOY」開発者であり、教育心理学博士のメストネック博士にお話を伺いました。発達障がいの原因のひとつに「あそびの不足」がある、とメストネック博士は言います。

[月刊クーヨン(クレヨンハウス/刊)2026年8月号]より転載

第5回 指先と目と手の協調運動

TAG-TOY「指先と目と手の協調運動学習セット」

    「ひも通し」と昔から愛されているあそびは、子どもの興味を引くだけでなく、乳幼児期の子どもにとって必要な「目と手の協調」の発達を促してくれるおもちゃの代表でもあります。
    大きな穴は比較的簡単に通すことができ、穴がちいさくなればなるほど難しくなります。
    とくにひも通しあそびで求められるのは、左右の手それぞれが違った動きをしないといけないというものです。片手でひもを通す板や厚紙を持ち、もう片方の手でひもを通していく必要があります。このようなあそびが得意な子どもにとっては大して難しいと感じないかもしれませんが、手先が不器用で、こういったあそびを避けがちな子どもにとってはとても難しい動きでもあり、無意識に苦手なものと捉えてしまう子どももいます。

「ひもを通す」ことだけに集中

  • 巧緻動作(指先運動)に不器用さがあることは問題ありませんが、それらを動かすことをたのしめるあそびやおもちゃに出逢い、使う機会を増やすことは重要です。この「指先と目と手の協調運動学習セット」は、ひもを通す動物のかたちをした木の板を、自立させて立てる台がついています。これを使ってあそべば、両手を「ひもを通す」ことだけに使うことができます。

  • テキスト
  • テキスト
  • じつはこの台がポイントです。このおもちゃの発達目標でもある繊細な目と手の協調運動、とくに指先運動をくり返しあそびのなかで育てることにつながるからです。また左右の手をバランスよく使う機会も増えるので、左右の脳への刺激も増えるわけです。

「できた!」の経験が発達に繋がる

    「いつもお伝えしていますが、脳にとって簡単なあそびからじょじょに難しくしてあげることは発達を促すうえで大切です。穴の大きさを変えることで難易度の調整が可能です。慣れてくればひもの通し方もたのしみながらあそびはじめる姿が増えます。同じような間合いでひもを通したり、ひもを数本使ってあそんだりと、多様なあそびに変化します。こうなると、まさに創造性を使ったあそびです。 すべての発達(こころもからだも)にははじまりがあります。その経験はちいさな子どもほど豊かに育て上げていきます。子どもの「できた!」はちいさな手のなかからはじまるわけです。

指先と目と手の協調運動学習セット

指先と目と手の協調運動学習セット

親しみのある動物がモチーフの木製ボードに穴があけられています。穴の数と大きさがいろいろで、難易度が設定されています。ひもを通すことで、指先と手首の動きを滑らかにします。練習台に動物ボードを固定することで、子どもは動物の一部を手で持つことなく、両手を使ってひも通しに集中できます。また、土台があることで、子どもはひもを通しやすい角度に動かすことが出来ます。

発達目標
(あそんでいるときに育つ発達)

● 指の細かい筋肉の働きを育てます。
● 目と手の協調性を養います。
● 論理的な順序の基本的なパターンがわかります。
● いろいろなパターンを生み出すことで、想像力を刺激します。

あそび方

1. ひもを指先でつまんで、動物の穴に入れるようすをやって見せて、やりかたを伝えてください。
2. まずは穴の数が少ないものから。じょじょに、穴の数が多いものへと進んでください。

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  • Laurence M.Mestyanek(ラリー・メストネック)
    南カリフォルニア大学でギルフォード&メーカー博士より知能構造理論を学び、教育心理学博士号を取得。1976年に、障がい児や軽度発達障がい児、学習困難をもつ子どものための「セラピー玩具」の開発をスタートし、TAG(Think And Grow)社を設立。日本では、国際臨床保育研究所が中心となって、メストネック博士のセラピー玩具を広めている。
    https://www.tagtoys.com/

  • 勝山結夢(かつやま・ゆむ)
    NPO法人国際臨床保育研究所・所長。創立者辻井正さんのもとで、おもに乳幼児の教育理論をまなび、セラピー教具の必要性にいちはやく気づき、普及活動に従事。現在も、保育者向けの保育法やセラピー教具をつかった研修に従事。この連載では、メストネック博士の原稿の翻訳を担当されている。
    http://www.kiccc.or.jp/

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