ちいさな木

何年も「そこ」に生えていた、ちいさな木、キッコ。
ある時、1ぴきの犬、ゴッチがキッコの前を通りかかって、「これから、好きなところに行くんだ」と話しかけてきます。
「いっしょに　くる？」
そう誘われたキッコがためしに「よっこらしょ」と、根っこを引き抜いてみたところ、根っこが足のように、一歩、また一歩と動くように。
うれしくなったキッコは、ゴッチといっしょに、好きなところを見つける旅に出ます。
佐竹美保さんが描く、モノクロのなかに緑が映えた絵と、角野栄子さんのリズムの良い文章がぴったりと合った、クラシカルな装丁もうつくしい絵本です。