しじんのゆうびんやさん

海のすぐそばにあるちいさな街に、一軒のちいさな郵便局がありました。
そこで働いているのは、たったふたりきり。
街灯みたいにひょろりとした受付担当のガイト―と、鳥の巣みたいな髪型をした配達担当のトリノス。
ある時、ひょんなことからガイト―は、街に住む、あったこともない誰かのために手紙を書くことになります。
ですが、どんな手紙を書いたら良いかさっぱりわからないガイト―は、感じたこと、思ったことをそのまま文章にしたためます。
そうして書かれた手紙は、まるでそのひとのためだけに紡がれた詩のように、受け取ったひとのこころをふるわせていきます……。