マルクのふしぎなかさ

絵を描くことが好きな女の子ローズは、おかあさんの誕生日プレゼントの絵がなかなか描けず、困っていました。
明け方、そんなローズの元へ不思議な傘を持って空を飛ぶ男の子、マルクがやってきて、絵の題材になるものを探しに行こうと、早朝の街へローズを連れ出します。
早起きのパン屋さんの、焼きたてパンのいい匂いや、朝の歌をうたう鳥たちの声、教会の美しい鐘の音。
街で出会う、たくさんのすてきなものに反応して、 マルクの不思議な傘は、オレンジや水色など、ざまざまな色に変化しました。
そして、集まった色で傘に浮かび上がってきたのは……？
ドイツの古都、ローテンブルクをモデルに、やわらかで夢のような世界を、松本猛さんが作り、子ども時代にドイツで過ごした経験のあるたなか鮎子さんが、美しい街並みを鮮やかな色彩で描きました。