ジュゴン 海の暮らし、人とのかかわり

絶滅の危機にあるジュゴン。調査を行ううちに、すっかりその魅力に取り憑かれた著者が、南の海でのんびりと暮らすジュゴンの生態や進化、そして保護のあり方まで紹介する。 ある日、突然「ジュゴンの調査担当は君ね」と告げられてから、著者のジュゴンとのつきあいははじまる。当初は「間の抜けた顔」と思っていたその顔も、セスナ機をきりもみ飛行させながらジュゴンを探したり、海草（うみくさ）を食べた跡（ジュゴントレンチ）やウンチを見つけに海中を泳いだりしていくうちに、どんどん愛らしくなり、今ではすっかりその魅力の虜。そんな著者が、できるだけ多くの人にジュゴンのことを知ってほしくて書いたのが本書である。ジュゴンはどこに棲んで、何を食べ、どこで眠っているのか。どんな恋をして、子供を産み、育てているのか。そして、なぜ絶滅の危機に瀕しているのか──生態や身体のつくり、進化から保護のあり方まで、ジュゴンのすべてをあますところなく紹介する。知れば知るほど好きになる、ジュゴン入門書。