商品コード:9784622076285

ジェイン・オースティンの思い出

3,960円(税込)
3,600円(税抜)
著者名
J・E・オースティン=リー/著  中野康司/訳
出版社名
みすず書房
外寸
196×136×26 mm
ページ数
304
発売日
2011/06/17
「ミス・オースティンはシェイクスピアと同じように、賢い人々と同様、愚かな人々もみごとに描いている。作家として、これはきわめて非凡な能力であり美点である。英知や機知にあふれた会話を書くためには、もちろん、作家自身にその英知や機知が備わっていなければならない。つまり、賢い人間を描くためには、賢い人間でなければならない。しかしその論理は、愚かな人間を描く場合にはあてはまらない……愚かな人間を描けるのは、愚かな人間ではない。そして、立派な登場人物を立派に描くことに成功している多くの作家たちが、あまり立派ではない登場人物を描くことには失敗している」(リチャード・ホエートリー) 著者はジェイン・オースティンの甥、つまり長兄ジェイムズの長男で、ジェイン叔母に身近に接した生き証人である。そのため、同じ世界に暮らした親族ならではの親しい知見が生きている。伝記的資料に乏しいなかで、本書がこれ以後に書かれることになる多くの「オースティン伝」の基礎をつくったことは間違いない。とりわけ、著者がオースティン文学の魅力である「皮肉とユーモア」を解する人物であることがありがたいし、折りにふれて彼女が語った科白を書き遺してくれたことも貴重である。 「田舎の村の三つか四つの家族が、小説の題材として最適なのです」 「真面目な歴史ロマンスを書かないと絞首刑にするぞ、とでも言われないかぎり、そういうものを書く気にはなれません」 オースティンの長編六作を全訳した訳者による詳細な注を付した待望の一冊。

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