カッパのぬけがら

ある夏の日。川辺で釣りをしていて、水の中に落ちてしまったゲンタは、からまってきた水草に、川底へと引っ張られてしまいました。
気が付くと目の前には一ぴきのカッパが立っていて、「おまえ、カッパになれ。」と言うのです。
百年に一度、脱皮をするというカッパ。そのぬけがらは、着るとダイバーズスーツのようになり、ゲンタはカッパになりきりました。
カッパと一緒に、泳いだり、すもうをとったり、冷やしたきゅうりを食べたりするうちに、もう、このまま本当にカッパになってもいいかな、と思うゲンタでしたが、秋が来て……。