天国の扉をたたくとき

この本は、米国のジャーナリスト、ケイティ・バトラーによる自身のご両親の看取りの記録であると同時に、アメリカ社会の過剰医療へのジャーナリスティックな警鐘でもあります。訳者の布施さんも母親を在宅で看取られた経験をお持ちで「この本の翻訳が母への鎮魂の作業のようだった」と語られていたのが深く印象に残っています。日本でも介護の問題に悩まれている方々は数多く、そうした方々の心に触れる作品になったなら幸いです。　　（亜紀書房　小原央明）