はるにきみがめざめたら

キツネのロッソは、たのしみにしていることがあります。
冬の間ずっと眠っていたヤマネのクイックが、もうすぐ目を覚ますので、また一緒にあそべるのが、うれしくてたまりません。
でも、ロッソには気がかりなこともありました。
それは、冬の間に仲良くなったアナグマのバスのこと。
あたらしい友だちを紹介したら、クイックはどう思うだろう？
そう考えると、本当はみんなで一緒にあそびたいのに、なかなか言い出せません。
あたらしい季節。
たのしいことも多いですが、不安と緊張の季節でもあります。
あらたな環境で友だちができたら、それまでの関係がかわってしまうかも。
そんな揺れるこころの様子を、やわらかなタッチで表情豊かに描きます。
第29回いたばし国際絵本翻訳大賞受賞作、『きみにおやすみをいうまえに』の待望の続編です。