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世界でまた紙の本が見直されています

 学校教育のデジタル化に対抗した家庭教育の重要性が問われるようになってきました。
スウェーデンは日本より10年早くデジタル教科書になって、生徒は1人1台タブレットを持つように進めました。その結果、学力や集中力が著しく低下したので、法改正をして紙の教科書に戻すようになりました。
 先進国ではデジタル教育を点検する段階に入っているのに、日本だけがデジタル教育に突き進んでいます。
 その結果どうなっているか? 授業でタブレットを使う時間が長いほど学習到達度が下がっています。自分の頭で考える力が低下してしまっているのです。タブレットでは、しっかり思考してじっくり深めることに向いていないことがはっきりしています。特に、学習経験の浅い幼い子どもには悪影響でしょう。じっくり紙の絵本を読むとか、読み聞かせされる時間が必要だ、ということになります。

デジタル教育では、鉛筆を握ってノートに反復練習する経験が減ります。その結果、ミミズが這うような筆圧の弱い文字しか書けない子どもが増えました。手指を使ってしっかり書くことは、脳の発達や記憶の定着に関係すると考えられ、考える力が育たなくなると非常に深刻です。認知症予防に採用されていることを見れば明らかです。
 デジタル教育は、健康への懸念もあります。視力低下や、睡眠や感情抑制、うつなどメンタルヘルスへの悪影響も指摘されています。タブレットで休み時間も遊んでいて、校庭で遊ぶことも減ったそうです。そのため、社会性やコミュニケーション能力の発達にも悪影響が出ていると指摘されています。学校では、不登校や暴力が増え、教師不足も深刻です。デジタル端末は、子どもに知識は伝えてくれても、人格的に感化はしてくれず、教師の指導とは雲泥の差です。

それではどうするのか? 学校のデジタル教育による不足を、家庭教育で補わなければならず、課題山積と心配されていますが、紙の本の読書が見直されています。読み聞かせたりと、保護者の負担はふえますが、わが子とのコミュニケーションが増えたり、いっしょに散歩したりスポーツしたりといった団らんが増えるメリットは高く評価されるところです。

クレヨンハウスのブッククラブでは、今後もたくさんの子どもたちのこころ豊かな成長を願いながら、紙の本での読書習慣のお手伝いをさせていただきたいと考えています。