【講演会レポート】五味太郎さん(絵本作家)/子どもの本の学校 34期

「子どもの本の学校」 34期 第2回 五味太郎さん(絵本作家)

1991年5月よりスタートした、クレヨンハウスの「子どもの本の学校」連続講座は、2024年で34期を迎えました。
子どもの本の専門店として、作家と読者が出会う場所をつくりたいとの思いが出発点。
“子ども”をキーワードに、子どもについて、子どもの本について、子どもをとりまく大人の世界について、ご一緒に楽しみながら考えていきたいと思います。

2025年1月の講師は、五味太郎さん

五味太郎さんは……
日本で450冊以上の絵本を出版し、翻訳された絵本を含めると軽く1000冊を超えているという、年齢も性別も国籍も問わない絵本のつくり手。今年8月で80歳を迎える。絵本は「本になっている状態」がいちばんいいと、「原稿」である原画の展示はほとんど行わない。自分で描く絵本のほかに、クレヨンハウスでは写真絵本『もういちどそのことを、』(寺崎誠三/写真)や俳句絵本『みどりとなずな』(ねじめ正一/俳句)で構成を手がける。時計やつみきなど雑貨のデザインも手がけ、そちらも大人気。

講演会タイトル「そして、おしゃべりは(まだまだ)つづく。」

自分が「なんかおもしろそう」と思ったことを絵本にしてきたと話す、五味太郎さん。

「『子どもたちのための良い絵本』っていうものは、ぼくにはわかんない。いま、絵本は『子どもの教育、発育に欠かせないもの』だという設定になっているけれど、ぼくの絵本にはそういう『教育的配慮』はぜんぜんない。そもそも絵本を『子どものための本』とも思ってなくて、ぼくはああいう絵本的な表現が好きだったし、ことばにも興味があったから、絵本をつくってる。あえて言えば『絵本好き用の絵本』なんだよね。

本を読むって、もっと単純なエンターテイメントのはずなんだよね。だけど親は絵本を『いいもの』として子どもに与える。実際に、ことばを覚えるための絵本なんかも多い。でも、そういうなかで『五味太郎の絵本』に出会うと、子どもは、なんかほかと違うぞって思うみたいなんだよね。気楽に読めるというか。言われてうれしかったのが『五味さんの本って、ちっちゃい子がみんな自分のものだと思ってます』と。ありがたいなって。

ぼくが最初の頃からつくりたいと思ってきたのは、シンプルなことばと絵で展開していく絵本。そういうものは外国のひとも読めると気づいて、余計にいいなって。子どもって、この社会にやってきた『新人の旅行者』なんだと思う。だから、いまここにある文化をたのしんでいくときに、絵本は入口として結構いいんじゃないかな」(五味さん)

親子で絵本の好みがちがうのも当たり前。「絵本はいいものだから渡す」と考えず、親子それぞれ好きな絵本を読んで、ときどき「おしゃべり」してみては?

「子どもの本の学校」 34期 第3回 五味太郎さん

この日は、クレヨンハウス東京店のご近所さんである「すみれ幼稚園」さんの講堂をお借りしてご講演いただきました。ふだんの会場には60名ほどしかお入りいただけないのに比べ、今回は100名ほどが入れる会場となりましたが、それでもキャンセル待ちが出るほどで、当日もぎゅうぎゅうの状態での開催でした。会場での参加を諦めざるを得なかった皆様、申し訳ありません。オンラインでも、五味さんのお話の面白さは変わりなかったこと、保証いたします!



講演会後はサイン会開催! オンライン参加者には限定サインカードの特典も

講演会終了後にはサイン会を開催。間近でお話ししながら直筆サインを入れていただける貴重な機会です!

オンライン視聴の方は、対象書籍ご購入で、描き下ろしの特別サインカードをプレゼント!


講演会に参加されたお客さまの声をご紹介!

・五味太郎さんの絵本は、大好きでしたが、今回のオンライン講演会に参加させていただき、絵本ではなく五味太郎さん自身が大好きになりました! 頭をかく姿から、マフラーのさりげない着こなしまで、ステキなおじさまでした。これからも良い絵本でない絵本、期待しております。(京都府・女性)

・五味太郎さんにとってはたくさんの講演会のおひとつかもしれませんが、わたしにとっては五味さんのつかみどころのない存在にむねがきゅうっとなりました。目の前の画面に五味さんがおられる、声がして。。。子どもにとっても親たちにとっても異世界の入口でした。たのしかった!!です。(兵庫県・女性)

・五味さん自身、「わかる」よりも「わからない」を重視していて、わからないことは楽しい、と話されていたけれども、こうして講演で話されていたことを少し振り返ってみても、あるときに「わからないもの」として出会った何かのわからなさを大切にしながら、ずっと考え続ける、という姿勢が垣間見られた。(東京都・男性)

・あの頃に戻って何して遊ぼう! 何かこう 何作ろう! で一昨年からそのまま止まっていた絵本を作る夢を、今一度スタートしてみたくなりました! 五味さんの講演は運動会のかけっこの合図な気がしました。希望が持てました。(長野県・女性)

[月刊クーヨン]25年4月号には、書ききれなかった講演内容を掲載!

クレヨンハウスの育児雑誌[月刊クーヨン]では、書ききれなかった講演内容を掲載しています。 五味太郎さんの記事は、2025年4月号(3/3発売)に掲載! あわせてチェックしてくださいね。

過去のレポート記事もご覧ください

過去の講演会のレポート記事を公開しています。「都合が合わず参加できなかった」「講演会の雰囲気や内容をちょっと見てみたい!」……という方は、ぜひチェックしてみてください!



「子どもの本の学校」34期はまだまだ続きます

作家と読者を結ぶ講演会イベント、「子どもの本の学校」34期は、まだまだ続きます!
この出会いが、一生を変えるような忘れられない大切な一冊との出会いになるかもしれません。
どこまでも自由な絵本の世界の魅力を、もっともっと知ることができる講演会イベントです。
ご参加を、お待ちしております!




※本ページに表示されている商品価格等は講演会開催時点のものです。