
絵本「ユキヒラさん」シリーズ3冊のご紹介

2025年、クレヨンハウスは新作絵本を3ヶ月連続で刊行しました。
83歳(2025年現在)の新人作家と、絵本の原画をすべて直筆のキャンバスがで描き下ろした画家が織りなす、ちょっと変わったシリーズ絵本3冊をご紹介いたします!
ユキヒラさんって何者!?

あなたの家の台所にも、おそらく雪平鍋(ゆきひらなべ)があると思います。アルミや銅でできた、使い勝手のいいあの鍋です。その雪平鍋をかぶっているので、ユキヒラさんと呼ばれています。子どもなのか大人なのか? 女なのか男なのかもわかりません。誰とでも話ができるらしく、野生動物も困るとユキヒラさんに相談するみたいです。
日本では、7人に1人の子どもが貧困という社会問題になっていますが、最近の地球の異常気象や荒廃ぶりに困っているのは、野生動物も同じです。安全でおいしい食料が食べられないときはユキヒラさんに助けを求めます。聞きつけたユキヒラさんは、草原や大海原にでも出かけていき、マッチ1本で願いをかなえてしまいます。
おなかのすいたゾウさんのお話

晴れたある日、草がなくなってしまった土地でユキヒラさんと待ち合わせていたゾウさん。みずみずしい草を5トン食べたいと言うゾウさんに、ユキヒラさんはカバンから、「緑色のおたま」と「緑色のマッチ」を取り出します。
おなかのすいたキリンさんのお話

木々が枯れてしまった土地でユキヒラさんと待ち合わせていたキリンさん。おなかが空いてイライラ、ドタバタしています。やわらかい葉を食べてやさしい気持ちになりたいと言うキリンさんに、ユキヒラさんはカバンから、「オレンジ色のおたま」と「オレンジ色のマッチ」を取り出します。
おなかのすいたクジラさんのお話

大海原でユキヒラさんが乗る小舟に近づいてきた、まだ子どものクジラさん。おかあさんとはぐれておなかがペコペコです。自分のからだぐらいオキアミが食べられると言うクジラさんに、ユキヒラさんはカバンから、「水色のおたま」と「水色のマッチ」を取り出します。しかも、マッチは火のついたまま海の中へ!?
この絵本をつくったひとって?

いわまタケツグ/文
1942年2月4日長野県上田市生まれ。1976年から、クレヨンハウスの志に参加。いまや、なんと最古参! およそ40年以上、絵本・子どもの本を読んで、クレヨンハウスのブッククラブ新刊コース選書を続けてきたことが唯一の誇りか。 併せて有機農家にエールを送るためにオーガニックフーズに取り組む。オーガニックレストラン、オーガニックの八百屋、有機野菜だけで作ったスープ「OrganicPhytochemicalSoup」の商品化に取り組む。 Phytochemical を朝食夕食前の2回常食により「植物年齢を取得したかもしれない」と大言壮語するほど健康。
蟹江杏さんの絵に出会って、83歳にして、はじめて絵本の出版を自作でプロデュース。まだクレヨンハウスの志に貢献できると考えている。
蟹江杏/絵
東京都日野市出身。画家。「自由の森学園」卒業。ロンドンで版画を学ぶ。全国の美術館や百貨店、画廊などで個展を開催。東日本大震災以降は、被災地の子どもたちに絵本・画材を届ける活動や、福島県相馬市に絵本専門の文庫「にじ文庫」を設立。
文部科学省復興教育支援事業のコーディネーターをつとめるなど、全国の子どもたちとアートをつなぐ活動を行なっている。絵本に『ハナはへびがすき』(福音館書店)、『おーい』(ほるぷ出版)など。小説に『あの空の色がほしい』(河出書房新社)。エッセイに『eyes (アイズ)―25thbeing an artist-』(東海教育研究所)など著書も多数。
アトリエANZ
https://atelieranz.jp/
6/21(土) 蟹江杏さんの講演会イベント 参加者募集中!
蟹江杏さんに、版画や絵本をはじめとした数々の作品について、今までの活動を通して感じたもの、ご自身のことなど深く語っていただきます。
●子どもの本の学校34期 第8回 ●
講師:蟹江杏さん(画家)
講演タイトル:描く細胞
日時:2025年6月21日(土)16:00~17:30
会場:東京会場(クレヨンハウス東京店地下1階 未完の本屋)+Zoomをつかったオンラインライブ
※社会状況により、変更の可能性もございます。お問い合わせください。