今月の英語絵本コース（クレヨンハウス通信 525）

恐竜はどのようにして親切ということを学ぶのでしょうか。
なんでも思ったまま、感情をひとにぶつけガオと吠えたり、自分の自転車のスピードを上げてひとの自転車を倒して、その倒れたひとのことをからかうとか、弟におかまいなしに水飛沫をあげて風呂に飛び込んだり、自分勝手に風呂のお湯を抜いたり、真夜中に騒音をたてたりするのかな。
いやいや、そんなことはありません。
だれにも親切にするということをしっかりわきまえている「いい子ちゃん」で、唯一無二のすてきな恐竜です。

そろそろ巣立ちが近づいたある日、母鳥が留守だったので、ヒナのメルは高い木の上にある巣から飛んでみようと決心しました。
きょうだいたちが不安そうに見守る中、巣から羽を広げはばたいたのですが、あれれ。
まっさかさまにどんどん落ちていきました。
フクロウもリスたちも助ける術がなく、クモもアリさえも手を貸そうとしましたが及ばず。
でも幸い真下は池で、その中へボチャーン。
水中で見事にサカナを捕まえ、一人前のカワセミのように嘴（くちばし）にくわえ母鳥の待つ巣へ……。

〈翻訳版〉
『ことりのメル おっこちる』
よしい かずみ／訳　化学同人／刊
2,090 円（税込）

昔ある町に、不思議な力をもつ魔女のおばあちゃん、ストレガ・ノナがいて、人々に一目を置かれていました。
そこに大柄だが地味な若者、アンソニーがやってきて、住み込みでストレガ・ノナの手伝いをすることになりました。
ただし「決してパスタ鍋に触れてはいけない」、と厳しく言い渡されたアンソニー。
ノナの留守をねらって鍋をだし、盗み聞いた魔法の呪文歌を歌うと、パスタが底なしのように湧き始めました。
町人に大盤振るまいして、大人気のアンソニーでしたが、ひとつ聞きもらしていることがありました……。

〈翻訳版〉
『まほうつかいのノナばあさん』
ゆあさふみえ／訳　ほるぷ出版／刊
1,540 円（税込）