今月の英語絵本コース（クレヨンハウス通信 528）

ある農家のリンゴの木に10コのリンゴがたわわに実り、農夫は大よろこびです。
しかし、農場の動物たちもみんなうれしくて、ウマ、ウシ、ロバ、ヤギが次々やって来て、ひとつまたひとつとリンゴをおいしそうに食べてしまいます。
それでもまだ自分の分があるからと安心しているうちに、残り４コ、３コ、ついに残り１コに……。
農夫が最後の1コを満喫したところに妻が来て、リンゴがひとつも残っていない木を見て、パイにする分がないと嘆きますが……。

どんよりとした灰色の空と街並に、白い雪が一粒。
気がついたのは少年とイヌでした。
少年は「雪が降っている！」と大よろこびして、おじいさんや他のおとなに話しますが、誰も取り合いません。
雪が一粒から数粒になってもなお、ラジオもテレビでさえも「雪は降らない」と言っています。
でも、少年やイヌやそして雪自身も、これから本格的に降りはじめることを知っていました。
雪は空を、地面を舞い、どんどん積もり、やがて灰色だった街並をすっかり変えます……。

〈翻訳版〉
『ゆき』
ユリ・シュルヴィッツ／作　さくまゆみこ／訳
あすなろ書房／刊
1,650円（税込）

広々とした空が広がる町に住む子どもが、空のかなたの宇宙人宛に、地球を紹介する長い手紙を書いています。
地球はどこにあって、自分がどこにいるか、いろんな活動をして生きていること。
人間にはおとなと子どもがいて、旅をし、食事をし、子どもは学校にいく。
水があり人間以外にも大小さまざまな生物が生きている。
病気や怪我をし、互いを傷つけあうこともあるが助け合う……。
長い手紙は、勇気ある申し出で締め括られます。

〈翻訳版〉
『地球のことをおしえてあげる』
ソフィー・ブラッコール／作・絵　横山和江／訳
鈴木出版／刊
1,540 円（税込）