瓶詰めの海は寝室でリュズタンの夢をうたった

もうすぐ60歳になる中尾殿清(ナカオトノキヨ)は、疲れ果てていました。
何をしてもうまくいかない毎日と、かわらない繰り返しの日々に。
ある夜、くたくたになってベッドに飛び込んで、深い深い眠りに。
と、突然、窓から寝室に忍び込み、ベッドに乗り上げて来る影ひとつ。
影の正体は、「クラゲ」と名乗る少年でした！

「海を盗んできた！」
クラゲがそう言って、盗んだ海を閉じ込めたというビンを割ると、辺りは海になり、おどろく殿清とクラゲを乗せたベッドは、大海原に放り出されてしまいます。
そして、たどり着いたのは海の裁判所。
そこで殿清は、被告人にされてしまいました。
罪状は、小学５年生の時に夏休みの宿題を提出しなかったこと。
そうして、7日以内に宿題を終わらせないと、この不思議な世界から帰れなくなってしまうと言い渡されてしまいます。
今ではわすれてしまっていた、あの日にやり残していたことを、殿清はやり直すことはできるのでしょうか。

人気劇団「おぼんろ」が公演した舞台、『瓶詰めの海は寝室でリュズタンの夢をうたった』が、待望の小説になりました。