イツァーク

いまでは世界的な名声を得、各国でコンサート開き、数々の音楽賞を受賞したヴァイオリニスト、イツァーク・パールマン。
その彼の幼少期から、デビューのきっかけをつかむまでを描いた作品です。
けっして裕福ではない家庭で生まれた彼は、キッチンに置いてあった古いラジオから流れる、クラシックや民謡、聖歌などを聴くのが大好きでした。
メロディーに接すると、頭の中にきれいな虹が浮かぶよう……。
両親がお金を集め買ってくれた、おもちゃのバイオリン。
ラジオで聴いたような音色がでないことにがっかり。
そんなイツァークでしたが、4歳のころ当時流行していたポリオに感染します。
後遺症で松葉杖がないと歩けななった彼を支え、心を豊かにしてくれたのが、生まれたときから聴いていた音楽でした。
やがて本格的なバイオリンを手にした彼は、音楽学校に通い、 立ってバイオリンを弾けないというハンディがありながら、交響楽団に手紙をだし、音楽活動を続けようとします。
そんな時、アメリカのテレビ番組のオーディションが行われることになり……。
イツァークのこころの支えとなった音楽が、美しい色彩で表現されている絵本。
目を閉じると、バイオリンの音色が聞こえてきそうです。 （大阪店子どもの本売り場　N）