おばあさんのひこうき

編み物が好きで好きでたまらないおばあさんがいました。夏から冬の間は、その評判を聞いたひとたちから頼まれた編み物をせっせと編んでは暮らしていました。
ある春の日のことです。ひざの上に止まったうつくしい模様のちょうちょを見たおばあさんは、ちょうちょの羽と同じ模様を編んでみることにしました。すると……。
編みあがった模様からいのちが吹き込まれたように、生地がふわふわと浮かぶではありませんか！
すっかりおもしろくなったおばあさんは、今度はその編み物で飛行機をつくることを思いつきました。
そうして編み物の飛行機ができあがった満月の夜。おばあさんの飛行機はついに空へと出発します。