いち・にの・さんかんび

きょうは参観日。
いちばんに手を挙げて、先生に褒められて、友だちは拍手してくれて、おかあさんやおとうさんは感心して……。
「ぼく」は想像をふくらませます。
チャイムが鳴って、算数の授業の始まり。
おかあさんと妹の前でいいところを見せたくて、引き算の答えをまだ考えている途中だったのに、みんなにつられて、「ぼく」は手を挙げてしまいます。
他の子が当たるだろうと思っていたのに、最初に当てられてしまって……。
答えられずにうつむいてしまうぼく。
そのあとも、みんながどんどん手を挙げていくなか、「ぼく」はずっと手を挙げられずにいます。
すると、さらに恥ずかしい出来事がぼくに降りかかります。
「あーっ、もう最悪の参観日だ」
「参観日なんか……なかったらいいのに」と、悲しくなっていた、その時……！

授業参観のときの心の揺れ動きを上手く描い授業参観のときの心の揺れ動きを上手く描いた、共感と応援の気持ちがあふれる作品です。