星の町騒動記

土蔵の陰からのっそり出てきた一匹の犬。
この犬が、伝説の町の守り神の再来だとはやし立てる街の人びとによって、神社のひとりむすこのワタルは、この「神の使いの犬騒動」に巻き込まれていくことになる。
神主であるワタルの父親は失踪中、母親も祖母もどこかのんきで頼りにならない。
「神の犬」の出現に沸く街の人びとや、マスコミ、そして、何かと難癖をつけてくる、隣の神社の神主……。
そんな中、クラスのいじめっ子の女の子に目をつけられ、ワタルはますます八方ふさがりに。果たして、ワタルと犬の運命は！？

ドタバタコメディーの中に、一過性のブームに対するシニカルな視点や、少年の微妙なこころの動きが丁寧に描かれています。