コグニのはじまり

霧がたちこめ、辺りは真っ白。
　 自分がどこからきたのか、どこにいるのか、どこへいこうとしていたのかさえ、わからない、ちょっと不思議な名前のおんなの子、コグニ。
それでも霧の中に閉じ込められても、ちっともこわくはないし、むしろ心地よいコグニ。
コグニは「しっかりしなきゃ」と思い、歩きはじめます。
しばらく歩くと霧も薄くなり、水の流れる音が聞こえ、川が現れます。
そこにいた男の子と、2匹のヘビがコグニに話しかけてきますが……。

コグニがこの世に生まれる前の不思議な世界を、いとうひろしさんがやわらかなイラストとともに想像力豊かに描いています。
いとうさんのむすめさんがまだ小さかった頃に「おかあさんのおなかのなかで、なにしていたの？」と聞くと、「ヘビさんとあそんでいた」という会話がきっかけで生まれたお話だそうです。