手で見るぼくの世界は

視覚支援学校に通う中学1年生の佑（たすく）。
新学期になり、クラスにすこしずつ馴染んでいきますが、何より気になっているのは、幼なじみの双葉（ふたば）のことでした。
佑の苦手な白杖を使いこなし、いつも佑の背中を押してくれる積極的な性格だった双葉は、ある事件をきっかけに家から出なくなり、学校にも一度も登校していません。
自分自身のこと、友だちとの距離感など、さまざまなことに葛藤しながら成長していく佑と双葉。
ふたりの姿から勇気をもらえるのと同時に、視覚障がいの方の感じている世界を知るきっかけにもなる本作。

覚えていますか？　この事件。
点字ブロックの上をあるいていた全盲の子どもが、歩行者にぶつかり、その歩行者から罵声を浴びせられ、使っていた白杖を取り上げられ、放り投げられたという2019年に実際に起きた事件を元に書かれた児童文学作品です。