とびっきりのともだち

「やあ、きみはだあれ?　ぼくとともだちになりたいの？　でもどうしたってむりさ、ぼくにはもうとびっきりのともだちがいるんだから」。
ひとりの男の子が、ある日、浜辺で一匹の子犬と出会います。子犬は男の子のあとをついてきて、男の子も子犬にとても心惹かれるのですが……。彼の親友だった前の犬のことを思うと、新しく出会った子犬に心惹かれること自体、裏切りのように思えて……。
それでも、もういなくなってしまった「親友」について少しずつ子いぬに話していくうちに、少年のこころは「昨日」ではなく、「今日」、「明日」へと向いていきます。
ゆっくりと開いていく少年の気持ちに、胸をうたれる一冊です。