ねがいの木

夏休みに「１本の木を描く」という宿題が出て、おばさんの家に向かった、わたし。
ところが、着いたとたんに雨が降りはじめたので、雨がやむまで、お話をつくるのが得意な おばさんが誰かの願いをかなえてくれるという、「ねがいの木」の話をしてくれました。
草木以外になにもなく、たいくつをしていた、そよ風が「一緒にあそべる相手がほしい」と、気まぐれにつぶやいた願いからはじまり、町ができて、恋が実って。
「ねがいの木」は、たくさんの願いを叶えますが、いつしか戦争が起きてしまうのです。
そして……。
どんな願いも叶うと聞くと、たくさん頭に浮かんでくると思います。
大切な誰かの無事を祈ったり、ついつい欲が出てしまったり……。
いま、あなたが想う、その願いは、誰かを幸せにするものでしょうか。
1982年の雑誌「日本児童文学」に掲載されたお話に加筆した作品。