コロキパラン　春を待つ公園で

まだ肌寒い公園で、「ムッシュ・チョコット」のバレンタインチョコレートを売る手伝いをすることとなった、大学生１年生のわたしとクラスメイトの森田さん。
森田さんはチョコレートを販売する係で、わたしはそのチョコレートに添える似顔絵を描く係。
特に絵が得意というわけではなかったけれど、以前落書きした似顔絵を偶然見た森田さんに褒められたことがきっかけで、やってみようと誘いにのったのです。
しかし、似顔絵を描く仕事なんてはじめてで、不安と緊張でいっぱい。
そんなとき、コロキパラン……、キロラポン……、どこからかオルゴールの調べが聞こえてきて、自然と筆がリズム良く運べるようになります。
そして、いつしかまわりはお客様でいっぱいに！
その様子が公園に住む小さな動物たちにも届いたようで、不思議な出来事が起こります。それは？

魔法みたいな、だけどどこかで体験したことのあるような、そんな、ささやかであたたかい物語です。