うさぎのクーモ

大好きだったうさぎのクーモを、亡くした女の子みづき。
突然のお別れに、気持ちの整理ができないみづきは、その日以来、部屋に閉じこもりひとりで窓の外を眺めて過ごすようになっていました。
「おかあさんは、クーモはうさぎの国に行ったのだというけれど、うさぎの国ってどこにあるんだろう？」
毎日、そんなことを考えていたみづきの元へ、クーモのきょうだいうさぎがやってきます。
きょうだいうさぎは、みづきをうさぎの国へ案内してくれると言って……。

いのちを失っても、思いはずっとそばに生き続け、 次のあたらしいいのちが、悲しみにそっと寄り添ってくれることもあるのだと、やさしく語りかけてくれる作品です。
内木場さんによる銅版画の絵が、やわらかな雰囲気が感じられる世界を作り出しています。