約60年前、環境汚染に警鐘を鳴らし「世界の歴史を変えた、まれに見る一冊」と言われた『沈黙の春』。『センス・オブ・ワンダー』は、海洋生物学者でもある著者が、自身に残されたわずかな時間のなかで、子どもと保護者に向けて記した、最期の、深く、哲学的なメッセージ。この時代にこそ読み直したい２冊です。

ともすると社会の枠組みから取りこぼされがちな、多様なセクシュアリティをもつひと、シングル家庭、子ども……そうしたひとびとがゆるやかに結び合う小説『偶然の家族』が31年のときを経て復刊。作家自身の人生にも重なる小説『泣きかたをわすれていた』とともに、ぜひ、あたたかなお部屋で。

時代を、こころを、誰よりも強く揺さぶる詩人・宮尾節子さん。ツイッターで瞬く間に拡散され、各メディアでも注目された詩「明日戦争がはじまる」などが収録された同名の詩集と、女、戦争、暮らしなどをテーマにした53篇を収録の『女に聞け』を２冊セットで。

詩人・長田弘さんのふたつの詩「花を持って、会いにゆく」「人生は森のなかの一日」に、グスタフ・クリムトの名画を添えた詩画集。死者との再会へ向けた希望を描く内容から、故人を偲ぶ会で参列者へ手渡されることも。大切なひとを想うクリスマスの静かな夜に。