海にしずんだクジラ

70年生きた一頭の大きなクジラがゆっくりと静かに海の底に横たわる。
深海にすむ生きものたちにとっては、これがはじまり。
クジラにヌタウナギやオンデンザメなどの魚類、ミゾズワイガニなどの甲殻類やホネクイハナムシなどの深海生物、深海微生物などが群がり…。
50年という長い年月をかけて跡形もなく食べられるクジラは、何百種類という生きものの何百万という命を支え続けます。
この生態系は「鯨骨生物群集」と呼ばれ、1987年に発見されました。
一頭のクジラの死から、深海の特殊な生態系に迫ります。