アラスカたんけん記

旅のはじまりはエスキモーの村を撮った、1枚の写真でした。
著者の星野道夫さんは、その写真を見ているうちに行ってみたくてたまらなくなり、20歳のときにアラスカに渡ります。
山の谷を移動するカリブーの群れ、夜空を生きもののように動くオーロラ、地の果てだと思っていたところにもある、人の生活……。
そこには写真だけではわからなかったアラスカの姿がありました。
44歳で亡くなるまで、極北の地を撮影し続けた星野さん。
崩れ落ちる氷河や、雪どけとともに咲き始める花々の写真は、臨場感にあふれ、「気の遠くなるような大自然のなかで、寂しい気持ちとともに叫びだしたいような自由を感じた」と、書き綴られた文章が鮮明にこころに残る、星野さんの探検の記録です。