こんやは はなびたいかい

今夜は、川の向こうで花火大会。
川沿いには屋台が立ち並び、とてもにぎやかです。
「どーん　ぱら　ぱら　ぱら　ぱら」と、打ちあがった花火を見ているのは、ひとだけではありません。
川を挟んで建っている動物園にいる、動物たちにとっても今日は花火大会。
花火の音にびっくりして、木の穴に潜り込んでしまったアナグマや寝ころびながら花火をたのんでいる、とうさんゴリラ。
音に合わせて遠吠えをしている、おおかみたち。
自然科学の研究者である、あべはるえさんが描く動物たちの反応はゆかいで、『かばくん』などでおなじみの詩人、岸田衿子さんの文章ともぴったり。
わたしたちも、どうぶつたちと一緒に、暗闇に開く大輪の花火を見上げているような気分が味わえます。
『こどものとも年中向き』2005年8月号に掲載されたおはなしが、このたびハードカバーとなりました。