【講演会レポート】五味太郎さん(絵本作家)/子どもの本の学校 35期

「子どもの本の学校」 35期 五味太郎さん

1991年5月よりスタートした、クレヨンハウスの「子どもの本の学校」連続講座は、2025年で35期を迎えました。子どもの本の専門店として、作家と読者が出会う場所をつくりたいとの思いが出発点。“子ども”をキーワードに、子どもについて、子どもの本について、子どもをとりまく大人の世界について、ご一緒に楽しみながら考えていきたいと思います。



2026年3月の講師は、五味太郎さん

五味太郎(ごみ・たろう)さんは……
1973年に『みち』(福音館書店)で絵本作家デビュー。以降、50年以上にわたって絵本を描き続け、自身だけで手がけた絵本だけで372作、誰かと組んでつくった絵本を含めると400作を超える。それらの絵本の多くが翻訳出版され、世界30ヶ国以上で読まれている。2025年12月から今年2月までの約3か月間、オリジナル絵本372作すべてとその翻訳絵本を集めた展覧会【五味太郎 絵本出版年代記展 「ON THE TABLE」】を開催した(東京・代官山にて、現在は終了)。また、372作を網羅し、すべてにコメントをつけた書籍『五味太郎 絵本クロニクル 1973-2025 完全版』(アノニマ・スタジオ)も発売中。

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  • 五味太郎 絵本クロニクル展
    東京・代官山「LURF GALLERY」での展覧会に足を運べなかったみなさんに朗報です!
    2026年4月以降、代官山での展示に絵本原画約100点を加えた展覧会を、全国各地で巡回します。まずは、千葉県の佐倉市立美術館から。詳細は下記URLをチェックしてくださいね。
    https://www.medialynx.co.jp/mediahp/new/index.htm#260411
    * 上記サイトには今後の巡回先も後日掲載される予定です。

講演会タイトル「タイトルはあとから決めよう」→「???」

2025年12月から今年2月までの約3か月間、五味太郎さんが自らプロデュースした展覧会【五味太郎 絵本出版年代記展 「ON THE TABLE」】が開催されました。「1973」など年号が書かれた箱の上に、その年に出版された絵本が並べられ、すべて手にとって読めるという異例の展覧会場に、2025年まで372作の著作が揃いました。同じタイトルでも月刊絵本と書籍版といったバージョン違いがあったり、海外翻訳版も含めると、実際には1000冊を超えていたとか。

「原画じゃなくて本を並べる展覧会をずっとやりたいと思っていたんだけど、美術館に提案してもどうもわかってもらえない。だから、自分でやろうと思って、やりました。面白くなるのか、ちょっと不安もあったんだけど、思った以上に面白くなったなって。これは読み手がすごい。見に来てくださるひとたちの思いがあんなにあふれた展覧会って、なかなかないんじゃないだろうか。同時に、滞留時間があれほど長い展覧会っていうのも、ほかにない。
年齢によって、『ぼく、この年に生まれたね』とか『わたし、この辺りをよく読んでいた』というのが物理的に見えるし、読み手の人生とも重なってくる。やっぱり本というものは、個人的な思いや気持ちが乗るんだなと。読み手それぞれがもっている、本に対する思いみたいなものを、しみじみと感じたりしました」(五味さん)

東京・代官山での開催時は、2階がギャラリーで、1階がカフェというつくりでした。週末の夕方には五味さんが会場を訪れ、カフェで読者と直接話す機会も多かったと言います。

「ちいさいひとも、作家も作家志望も、海外から来た方もかなりいました。ぼくと読み手は、本を介してお付き合いしているわけだけど、そういう関係ってあらためていいなと思って。なかでも印象的だったのは、漫画を描いているという女性に言われた『五味さんの本は、ひとを感動させようとか面白がらせようとか、そういう意図を感じない』ということば。ぼくの絵本の本質を言ってくれてると感じました。いまの世の中で『表現する』ということは、誰かに『何々させる』『何々を与える』『何々の役に立つ』ということになってしまっている。でも、ぼくは絵本を『面白いから見なよ』という気持ちでつくってはいるけれど、ひとに感動させようという意識は、非常に希薄だなと思います。
もともと絵本は『児童書』『子どもたちのための本』で、だから子どもたちをしつけるとか導くという目的のためのツールであることが主流だったんじゃないかと思う。だから、ぼくの絵本は扱いに困るよね、はっきり言って(笑)。描き手のぼくから言ったら、子どもだろうと大人だろうと海外のひとだろうと、読みたければ誰でも読める本を描きたいと思ってるわけ。そうやってつくった絵本を、とくに子どもは『五味太郎の絵本』じゃなくて、『自分の絵本』だと思ってくれる。泣いちゃうくらい、うれしいよね」(五味さん)

講演会タイトルが「タイトルはあとから決めよう」だったのは、「先にタイトルを決めて、そのタイトルに即して話すのもどうかと思って。これはこれで傑作だと思うんだけど」と、五味さん。最後に、あらためて今回の講演タイトルをお聞きすると……どんなタイトルになったのかは、ぜひサインカード(下部にサンプル画像あり)でご覧ください。



特別サイン会&限定サインカードは、参加者だけの特典です

「子どもの本の学校」 35期 五味太郎さん
「子どもの本の学校」 35期 五味太郎さん

講演会終了後にはサイン会を開催。間近でお話ししながら直筆サインを入れていただける貴重な機会です!

オンライン視聴の方は、対象書籍ご購入で、描き下ろしの特別サインカードをプレゼント!



※今回の配信にて、一部機材の不具合により音声がお聴き辛い点がございましたこと、スタッフ一同こころよりおわび申し上げます。今後は事前の音声チェック体制を一層強化し、同様の事態が発生しないようつとめてまいります。改めまして、このたびはご不便をおかけしましたことを深くお詫び申し上げますとともに、今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。



五味太郎さんの講演会に参加されたお客さまの声をご紹介!

私は先生の絵本は絵から入りました。まるで子ども目線の絵だったからです。「小学校はいらない」に共感し、だから五味太郎絵本は何十年経っても心に残るんだなとおもいました。(北海道・女性)。

毎月、素晴らしい講師の貴重なお話が拝聴できて、宝物のような時間です。作家さんの思い、絵本に込めたメッセージが、また新たな絵本の中の発見につながります。あらためて、絵本は深い!(大阪・女性)

五味さん、面白い話が底をつかないですね。毎回新しいネタが出てきて感心します。五味さんのような人を天才と言うのだと思います。(千葉県・男性)




[月刊クーヨン]26年6月号にも、講演記事を掲載!

クレヨンハウスの育児雑誌[月刊クーヨン]にも、講演記事を掲載しています。 五味太郎さんの記事は、2026年6月号(5/1発売)に掲載!ぜひお読みくださいませ。

過去のレポート記事もご覧ください

過去の講演会のレポート記事を公開しています。「都合が合わず参加できなかった」「講演会の雰囲気や内容をちょっと見てみたい!」……という方は、ぜひチェックしてみてください!

  • 原田さん
    「子どもの本を訳す ─ 翻訳の裏側」
  • 大西さん
    「循環する手仕事を撮り続けて」
  • あずみ虫さん
    「アラスカ先住民と野生動物たち」
  • とよたかずひこさん
    「ちいさい人たちに届ける絵本創り」

「子どもの本の学校」35期も充実の講師陣です!

作家と読者を結ぶ講演会イベント、「子どもの本の学校」は、まだまだ続きます!
この出会いが、一生を変えるような忘れられない大切な一冊との出会いになるかもしれません。
どこまでも自由な絵本の世界の魅力を、もっともっと知ることができる講演会イベントです。
ご参加を、お待ちしております!




※本ページに表示されている商品価格等は講演会開催時点のものです。