絵本特集:美しい線画がものがたるガブリエル・バンサンさんの絵本

【クレヨンハウス通信 No.526】
読んだことのある大好きなあの作品も、知らなかったこの作品も。
ひとりの作家さんにスポットライトを当てて、掘り下げてみると、たくさんの発見が!
今回はベルギーの絵本作家、ガブリエル・バンサンさんの作品を特集いたします。


絵本に込められたメッセージの中には、明確に意図して込められたものもあれば、読み手に対して受け取り方をゆだねるような、幾通りもの考え方ができるものもあります。
すばらしい絵本には、「絵の美しさ」、「感動」、「動き」といった長所があると、バンサンさんは語っています。その全てがバンサンさんの絵本にはあります。絵本を開いて、一本の線やひとつの影に至る細部まで思う存分味わってください。「絵本」という文化の奥行きや魅力をあらためて発見できるはずです。




  • ガブリエル・バンサン
    (1928年 6月 19日~2000年 9月 24日)

    ベルギーのブリュッセルの郊外に生まれる。
    音楽好きの両親の元で、4 人姉妹の3 番目として育ち、文字も書けない幼い頃から個性的なデッサンを描いていた。12 歳のときに戦争を経験し、1946 年にブリュッセル美術アカデミーに入学。1960 年に自身初となる展覧会を開き、その後も各地の画廊で展覧会を重ね、画家としてのキャリアを伸ばしていく。1981 年、ガブリエル・バンサン名義で最初の絵本『くまのアーネストおじさん かえってきたおにんぎょう』を出版。以降、刊行された絵本作品のほとんどが邦訳され、日本で出版されている。


「絵本にとって大切なことは、絵で描いてあることは文章では説明しない」という考え方があります。子どもたちは、自然と、そしてたやすく「絵を読む」ということをやってのけますが、大多数のおとなにとってそれは、とてもむずかしく、子ども時代に確かに持っていたはずの、忘れてしまったスキルのひとつとも言えます。ですが、日本の水墨画の影響を受けたと語り、終生デッサンを欠かさなかったというバンサンさんの絵本からは、文章以外の部分でも、多くのことが伝わり、そのメッセージを受けとることができます。そこに、子どももおとなもありません。

クレヨンハウス東京店 鏡鉄平

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