ひみつの川

『子鹿物語』で知られる作者が、生前、唯一子どもを意識して書いた物語に、コールデコット賞受賞画家のディロン夫妻が幻想的に美しい絵をつけて改めて絵本。
フロリアの果て、開拓民が暮らす村で生きる少女カルパーニア。
ある日、両親から「村の川で魚がまったっくとれなくなった」と聞かされます。村とそこで暮らす住民の命運を左右する厳しい現実。少女は、「バシャウマ」と名付けた背中が馬車馬のようにへこんだ犬と一緒に。魚がたくさんとれる「ひみつの川」を探します。
まったく違う物語ですが、『子鹿物語』に通じる、作者マージョリーの中に根を張る思想が。この絵本では、幻想的で美しい絵とともに確かに、かつファンタジックに伝わってきます。