森の木

木の中に住むという、木の精モクは、水を吸い上げて木に力を与えます。木がひとつ年をとると、モクはふたりに増えるのです。木の年齢は、年輪が教えてくれます。
村人に豊かな恵みを与えてきた一本の木。自然に木になった実を分かち合う村人たち。しかし、その暮らしを変えたのは、薬まで使って、実を「大量生産」しようともくろんだ領主。すべてが終わったあと、残ったものは……。紙粘土の半立体画で表現した見事な作品。バブルはとっくに弾けても、いまもって「拝金主義」がはびこるこの国、かの国の「領主たち」にに読ませたい。