NARADOLL HIGASHIDA/東田茂一作 奈良一刀彫の雛人形と兜

奈良一刀彫

奈良一刀彫りとは

一刀一刀魂を込めて彫ることからその名がついたと言われる「奈良一刀彫り」は、平安時代後期から約900年続く、奈良県の伝統工芸です。 もともとは子どもの玩具として発祥した「奈良一刀彫り」は、春日大社の奉納物としても納められていました。金物を一切使用せず、大胆な面彫りと繊細な色付けによる気品、木肌の素朴なやさしさが特徴です。

奈良一刀彫りの雛人形

奈良人形(奈良一刀彫り)の始まりは、春日大社若宮の祭礼である、「春日若宮おん祭り」の田楽法師の花笠や島台を飾った、彩色の人形と伝えられています。 そして、江戸の末期に生まれた森川杜園(もりかわとえん:文政3年~明治27年)によって、一躍芸術品の域まで高められました。

奈良一刀彫りの題材は、能狂言や舞楽、鹿をはじめとした十二支の動物、雛人形など、数多くあります。桧(ヒノキ)、桂(カツラ)、楠(クスノキ)などを素材として、ノミで豪快に彫り上げた上に、金箔や岩絵の具で精緻な極彩色を施しているのが特徴です。

狂言を題材にした奈良一刀彫り

▲狂言を題材にした奈良一刀彫り

奈良一刀彫りの干支人形

▲奈良一刀彫りの干支人形

岩絵具による鮮やかで繊細な色付け

▲岩絵具による鮮やかで繊細な色付け

奈良一刀彫り作家「東田茂一(ひがしだもいち)」さん

奈良一刀彫り作家の東田茂一

東田茂一さんは、祖父、父から伝統を受け継ぐ、三代目の奈良一刀彫り作家です。

祖父にあたる藤井泰山(初代)さんはオリジナリティあふれる作品が多く、枠に収まらない一刀彫りの芸術性を先にすすめることに尽力しました。その確かな技術力で名工森川杜園の複製を依頼されることもあったようです。

父の東田天光(二代目)さんは、奈良一刀彫りの高い芸術性に感銘を受け、その完成度を高めるべく、更なる技術の高みを目指すことに全精力を注いでいます。

そして、三代目である東田茂一さんは約900年におよぶ一刀彫りの歴史の重要性を実感すると同時に、伝統工芸品の魅力を現代とマッチングさせたいという思いから、「原点回帰と進化」に挑戦する自身の『NARADOLL HIGASHIDA』のブランドを立ち上げました。

NARADOLL HIGASHIDAとは

NARADOLL HIGASHIDAは、奈良一刀彫りを見つめ直し、元は人々の生活に寄り添っていた奈良一刀彫り本来の姿を目指し、デザインを取り入れて現代に調和させた、ものづくりをしています。制作は全てハンドメイド。木地の切り出しから大胆で力強い面の造形、日本画絵の具を使った繊細であざやかな色付けまで、すべての工程を一貫して職人の手で行っています。伝統を受け継いだ奈良一刀彫本来の大胆さと、かわらいらしく豊かな色づかいがひとつになり、住空間や季節を選ばず、見る人を楽しませてくれます。


2020年1月 クレヨンハウス東京店での実演の様子

NARADOLL HIGASHIDAの雛人形

『わたしたちは、「伝統」と「現代」を繋ぐためにデザインという概念を取り入れました。それはお客様の生活に、伝統の魅力を伝える架け橋のようなものです。大量消費、大量生産のこの時代に、手づくりのあたたかみを感じていただければ幸いです。そして、その先に広がる歴史やひとの営み、工夫に思いを馳せていただけたなら、こんなにうれしいことはありません。』---東田茂一さんコメントより---

奈良一刀彫りの雛人形

▲NARADOLL HIGASHIDAのひいな - 吉野山色 -

ひな祭りにとらわれず、年中すきな時に、気分で飾って欲しい。
好きなものはいつ観てもいい。

奈良一刀彫りの雛人形

▲NARADOLL HIGASHIDAのかざりひいな - 白雪色 -

飾る、設える。
いろいろな想い出、思いをこころ踊らせながら、飾る楽しみ。

奈良一刀彫りの雛人形

▲NARADOLL HIGASHIDAの段雛 - 中 -

日本古来の風習を飾る楽しみに変えて。

雛人形の木材

雛人形の木材

雛人形の木材は、日本の檜(ヒノキ)に近い白木・檜葉(ヒバ)。檜と同様に、耐水性や防虫効果も優れています。以前は檜を使用していましたが、経年によりヤニが出てきて絵の具が浮いて剥がれてしまうため、檜葉に変更しました。
檜葉は日本でほとんど採れないため、アメリカ産の檜葉を採用していますが、NARADOLL HIGASHIDAで使用されている米檜葉は、神社仏閣用のものと同等のグレードのものです。

木材はまず丸太の状態で倉庫で3年~4年かけてじっくり乾燥させます。丸太の状態で割れるだけ割れさせてから、割れなかった部分から切り出して、NARADOLL HIGASHIDAのお人形づくりに使用しています。

NARADOLL HIGASHIDAの顔料

雛人形の顔料は、昔ながらの日本の絵の具(水乾絵の具と岩絵の具にニカワと水を混ぜたもの)を使用しています。男雛の烏帽子や、他キラキラしているところは金箔。そして金色に塗っている部分は金泥(金箔を粉にして絵の具にしたもの)です。顔料を混ぜるところから工房で行うことで、NARADOLL HIGASHIDA特有の、上品で美しい色合いが生まれています。

雛人形の顔料

奈良一刀彫りの兜

奈良一刀彫りの兜は「強さ」や「逞しさ」を表します。

奈良一刀彫りの兜

▲NARADOLL HIGASHIDAのかぶと - 群青色 -

願いはひと時ではなくいつまでも….。
すくすくと元気よく、健やかに、たくましく。

奈良一刀彫りの雛人形

▲NARADOLL HIGASHIDAの大兜 - 茶 -

強さ、逞しさの象徴。
飾ることによる凛とした緊張感。
そこには日本男児への古来からの思いが受け継がれている。

展示販売・お名入れも承っております

奈良の地に900年続く奈良一刀彫りは、その芸術性を全国的にも高く評価されており、お子さんの健やかな成長を願うお節句飾りは特に人気があります。
クレヨンハウスでは1年を通して奈良一刀彫りの雛人形や兜の展示販売を行っております。

「実物を見てみたい」という方は、ぜひクレヨンハウス東京店・クーヨンマーケットまでお越しください。

NARADOLL HIGASHIDAでは、品質を保証する署名落款入りのクオリティーカードをお付けします。お求めいただいたお人形の修理等も行いますのでご安心いただけます。
また、クレヨンハウスではお名入れも承っておりますので、ぜひご用命ください。