イースターの絵本

コケコッコ―と、毎朝、目を覚まさせてくれるおんどりへ、「ありがとう」。
ぽかぽか照らしてくれるおひさまに「ありがとう」。やさしくうたう小鳥たちに「ありがとう」。
わたしたちをとりまくすべてのもの、一つひとつに、ちいさな女の子が贈るたくさんの「ありがとう」。
こころを込めて「ありがとう」と伝えたい、という素直で真っすぐなメッセージがつまった一冊。
やさしいタッチと色づかいで描かれた絵は、『まりーちゃんとひつじ』で知られるフランソワーズ。

妖精が、森の奥でみつけた「おひさまのたまご」は、まるくて、おおきくてだいだいいろ。
渡り鳥が「これはオレンジといって、おひさまとなかよしのくだものだ」とおしえてくれました。
森のなかまたちと、オレンジのジュースをのんでいると、いやしんぼのカラスがやってきて……。
天真爛漫な妖精の姿が愛らしい、スウェーデンで生まれのロングセラー絵本。

イースターエッグに絵をかく仕事をしているのは、うさぎのアボットさん一家。
子うさぎのオーソンは、ただいま「見習い中」。冬の間はあたたかい地方を車で旅しますが、今年はいつもと様子が違います。
それはオーソンが、車に模様を描いてデコレーションしたから。明るい色づかい、かわいい絵柄、できあがった車のなんとすてきなこと！ 行く先々で評判を呼び、飛行機のイラストまで頼まれる ことに。
自信をつけたオーソンは、家に帰ってイースターエッグづくりの手伝うようになると、その才能は見事花開き……。
大きなイースターエッグの表紙も楽しい、米国で長く読みつがれている絵本です。

イースターの日に、きれいな色やもようをつけたたまご、「イースターエッグ」をみんなの元に運ぶイースターうさぎは、あこがれの的。
今では21匹のおかあさん、ワタオウサギのフワフワも、ちいさなころからイースターうさぎになる夢を抱いていました。
ある日、イースターうさぎが新しく選ばれることになったと聞いたフワフワは、子どもたちといっしょに選ばれる様子を見に行くと……。
わお、フワフワが選ばれました！
イースターうさぎとして、はじめてたまごを届ける日、いっしょうけんめい頑張るフワフワでしたが、さいごのたまごが夜明けに間に合いそうにありません。
そこに現れたのはイースターうさぎの長老。
長老はフワフワに金のくつをはかせてくれると……。
イースターの話としてたのしいのはもちろん、ちいさい頃からの夢を、 おかあさんになってから叶えるフワフワのすがたに、勇気がもらえる1冊。
米国の作家、デュボース・ヘイワードが母から聞き、むすめに伝えていたおはなしで、1937年に発売された絵本が、幼年童話にかたちを変えて復刊！しました。

いわむらかずおさんの「絵本の丘農場」から生まれた、野うさぎの子どもの物語。
好奇心いっぱいのふうとはなは、今日も農場へ出かけます。そこで出会ったのは、卵をあたためているキジのおかあさんでした。
一緒にからだをまるめて待っていると、かわいいキジのあかちゃんたちが生まれました！
「14ひき」シリーズとはまた違うタッチで描かれた絵本。
農場のゆっくりとした時間が流れています。
きじのおかあさんの強さと、新しいいのちのあたたかさを感じる一冊です。

長い間愛されてきた可愛いお話が、新しい表紙になりました！
作者と画家の要望で、世界各国でこの表紙が採用されている、とのこと。

チビウサギが、うでをいっぱいにひろげて「きみのこと、このぐらいすきだよ」。
するとデカウサギは、ずーっとながいうでをのばして……。
とんだり、はねたり、体ぜんたいをつかって、相手への思いのふかさをくらべっこ。
デカウサギとチビウサギの、あたたかく心にしみいる愛のお話。

家を出てみたくなった子うさぎが、かあさんうさぎと話をしています。
「ぼく　にげちゃうよ」
と、かあさんは言います。
「かあさんは　おいかけますよ」。

さかなになったり、山の岩になったり、小鳥になったり、ヨットになったりして逃げるという子うさぎに、かあさんは、どこまでも、絶対に追いかけてきてくれる。
その安心感があるから、子うさぎは逃げてみたくなる。
かあさんの、「わたしのぼうや」 ということばが、聞きたくて。
愛や信頼がぎゅっとつまった絵本。

うさぎが自分のおうちを探しにでかけます。
野原をかけまわり、出会った動物たちにたずねながら、ようやく見つけたおうちとは……。
明るい日ざしの下で、動物たちもどこかうれしそう！　ページごとに描かれているちょうや花々からも、生命感あふれる春の到来が伝わってきます。
絵本の黄金コンビ、M・W・ブラウンと、G・ウィリアムズの名作絵本。

おとなにもおすすめ！　2018/2/10　｜NHKラジオ「落合恵子の絵本の時間」で紹介されました。
＞これまで「落合恵子の絵本の時間」で紹介した絵本リストはこちら

好奇心旺盛なかえるのジェシカは、石ころをうちに持って帰るのが大好き。
ある日、石ころの山の中に、大きくてまるくてきれいな石を見つけました。
持ち帰って友だちに見せると、
「にわとりのたまご」だと教えられます。
このまるくて大きな、たまごが？
数日後、殻にひびが入り……。
出てきたのは、４本足で緑色の生きもの！
これってにわとり！？
かえるたちの勘ちがいがなんともユーモラスな作品です。

花畑に行くと花模様に、雨が降ってくると
水玉模様に、小鳥たちがやってくると……。
変幻自在の、わたしのワンピース。１９６９年初版です。 （Ｋ.Ｏ）

うずらかあさんのうんだたまごが転がって、あわてて追いかけている、とヘビさんに出会います。
たまごを探していることが知れたら食べられてしまうと心配し、「ちいさくてまるいもの」を探していると伝え、一緒に探してもらうことに。カラスやオオカミにも手伝ってもらいますが……。
ありがたいけど、 ちょっと心配も伴う助っ人たち。かあさんのどきどきが伝わる表情にもご注目！

「たまごのなかで かくれんぼしてる あかちゃんは だあれ？」
ページをめくると、たまごからかわいらしい、いろんな生きもののあかちゃんが登場します。
「ぴっぴっぴっ」と鳴くニワトリのあかちゃん、ひよこ。「よちよちよち」と歩くカメのあかちゃん。 どれもまあるいたまごだけど、生まれてくる姿は、みんなそれぞれ違うんだ。
いのちって不思議だね。いのちって、素敵だね。
はっきりとした色で、大きくシンプルなタッチで描かれていて、ちいさな子とたのしむのにぴったりです。

ある日、荒野に出現した、とてつもなく巨大なたまご。
何のたまごなのか、なぜここにあるのか。
人間たちが集まり、たまごの謎を解明しようと試みます。
たまごを中心とした街ができます。
そこへたまごを産んだ巨鳥がやってきて……。
文字のない、木炭のデッサン画だけで描かれた絵本。
力強く語りかけてくる絵からどんな意味を読みとるかは、読者にゆだねられています。

うさぎさんは大きな丸いテーブルをつくりました。みんなで使えるように、丘の上へごろりんごろりんと運んでいきます。
おやっ、不思議！　重たいはずの荷物がなんだか軽くなったみたい。見ると、うしろからろばさんがこっそりお手伝い。
しばらく進むと、あれっ？　また軽くなりました！　見ると……。
『どうぞのいす』と同じように。互いを思いやる気持ちが、さりげなーくつまっています。