積み木・組み立てるおもちゃ

どうして子どものおもちゃに「積み木」がいいの?
そんな質問を店頭でもたくさんいただきます。まず、子どもは自由にあそぶことで、周囲の世界を理解していきます。とくにいま注目されている「空間認知能力(ものごとの状態を見抜く力)」は、自然のなかにたくさんある球体・立方体・直方体などのおもちゃ、つまりは「積み木」が、理解を助ける、と考えられています。こうした力は、日常生活を送るうえで欠かせないもので、あそびを通して身につき、やがて数学や物理の思考へとつながっていくものなのです。
「幼児期の育ちに積み木が必要」と言ったのはフレーベル
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乳幼児の育ちに「積み木」が必要だと考えたのは、世界で初めて「幼稚園」をつくったフレーベル(1782-1852年・ドイツ)。フレーベルは、球体、立方体、直方体、三角柱……と、発達に応じて積み木のかたちを発展させていくことで、子どもの思考が系統だって整理されると考えました。また均整の取れた球体や直方体から、子どもは世界の美しさを理解するとも考えられています。そこで、「基本の積み木」は、シンプルなかたちのセットをおすすめします。
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フリードリヒ・フレーベル
ドイツ 1782-1852
積み木選びのポイント
基尺 | 子どもの手に収まり使いやすいのが4cm程度。さらに、基本の長さ(基尺)に対して縦横高さが倍数だと、大きさ違いで組み合わせたときにも納まりがよくなります。また、他社製品でも基尺が同じであれば、一緒にあそべます。 |
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色のあるなし | 色なしだと、かたちの違いに気持ちが集中します。色が入ることで、アクセントがついて世界が広がります。 |
木箱のあるなし | 木箱があると、しまうときに「パズル」をたのしめます。それで自然とかたちの法則が身についていく面も。 |
年齢 | 0歳から幼児期へと、発展していく積み木あそび。同じ積み木でも、子どもの成長に合わせ、あそび方を変化させてたのしみます。 |
あかちゃんにおすすめの積み木
おすわり前のあかちゃんなら、手に持ってたのしむだけでもOK。音がしたり、ザラザラ、つるつるしたものをあかちゃんは触りたがります。やがて積めるようになり、崩してたのしめるようになり……。
そんな頃には、目の高さより高く積める、タフで軽い積み木がおすすめです。
「積む」動作がまだできないときにもたのしめる
積み木の基尺って何ですか?
基尺とは、積み木の基本の長さのこと。
子どもの手に収まり使いやすいのが4cm程度。さらに、基本の長さ(基尺)に対して縦横高さが倍数だと、
大きさ違いで組み合わせたときにも納まりがよくなります。
基尺が同じであれば、積んだり並べたりしたときに長さがぴったりと合うので、あそびを妨げません。
基尺から積み木を選ぶ
基尺が同じであれば、他社製品でも組み合わせて一緒にあそべます。
積み木あそびは年齢とともに発展していくものです。ひとつのメーカーで揃えるか、他社との組み合わせであそびを広げていくか、お好みでお選びください。
積み木の基礎・基尺10/3cmシリーズ
他社製品との組み合わせがしやすい基尺4cmのシリーズ
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保育積木Bセット(木箱入り)
主に園用家具や教材を扱う、ドイツ・ベルフリッツ社の保育積み木です。こちらは、レンガ型のみ56個入った基本セットです。他のセットもあり、シリーズで揃えることができます。
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グリムス にじのキューブ 小36P
虹の色をヒントに作られたグリムス社の積み木。美しいグラデーションの立方体がバランスよく36個入っています。色合わせをたのしんだり、白木の積み木の差し色としても。
独自の基尺や機能を持たせたシリーズ
積み木番外編・ダイナミックにあそぶ

1:3:15という黄金比率の木の板は、建築構造の学びに使われるほど緻密な作品の創作に耐えます。ひとりであそんでも、大勢であそんでも。高さ15メートルまで積めるので、チャレンジのしがいがあります。
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KAPLA(R) カプラブロック280ピース
「アートブック・赤」には、動物や建物のつくり方のアイデアを紹介しています。3歳くらいから、積んだり並べたり、かたちづくったりしてあそべます。
積み木のバリエーション
ここでは、バリエーション豊かな積み木の世界をご紹介します。
ベーシックな積み木とはひと味違ったデザイン性の高い積み木には、ななめに積んだり、揺れを感じる(曲線積み木)ものも。それまでの積み木の概念を大きく広げたと言われます。
そのほか、言葉につなげる積み木や、ごっこあそびにつなげる動物積み木などもあります。
複雑な立体につなげる
ただ積むだけでもおもいがけない姿になる、これらの積み木。複雑なバランスを考えたり、パーツ同士を連結させたり。積んでは崩す、というたのしみ方も。幾何学の入り口に。
大人もあそべる
直線でできた積み木を積むのは比較的容易です。曲線の積み木は、バランスをとるため、子ども自身の体幹の育ちが促されます。トンネルにしたり、積み上げたり。創意工夫が引出されます。
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アークレインボウ
美しい色彩、精緻なデザイン……ネフ社のものづくりの精神が凝縮されたような積み木。ハイコ・ヒリック氏のデザインで、1998年にドイツのプロダクトデザイン賞を受賞した名作です。
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バウハウス・バウスピール
ドイツのモダンデザインを象徴する「バウハウス」で、かつて制作されていた積み木を、ネフ社が復刻したもの。イマジネーションの赴くままに自由な建築物を組み上げてください。
ことばにつなぐ
積み木としてあそぶうちに、描かれたイラストを手掛かりに文字が読めるように。そうなると、ことばの順に積み木を並べることもできるように。何より美しい手仕事に、子どものときから出会ってほしい!
動きのあるあそびの要素を加える

道筋が彫られた積み木を並べ、ビー玉や木の玉を転がしてたのしむ「スロープトイ」。玉の道が見える「クーゲルバーン」や「スカリーノ」から、見えないところを通す「キュボロ」へ。複雑な玉の道を想像しながら組み上げるよろこびは、棋士の藤井聡太さんが幼少時に熱中したことでも知られるようになりました。プログラミングの基礎にもなります。
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CUBORO キュボロスタンダード32
最初は溝をつなげて、玉の道筋の見える平面の道を。お次は積み木の中に開いた穴をつなげることにチャレンジ。キュボロの世界観を満喫できるベーシックセットです。