生活の絵本（あいさつ、はみがき）

こうたがチョコレートを食べていると、急に奥歯が痛みだしました。鏡に映して見ると、なんと奥歯から、ちいさな植物が芽を出しているではありませんか！　こうたは、「きっとおいしい実がなるにちがいない」と思い、その植物を育てようとしますが……。びっくりするような設定のお話と、ダイナミックな絵が絶妙にマッチしたユーモア絵本です。

きょうはひとりでパジャマを着ることにしたみーちゃん。
服をかぶったものの、なかなか頭がでてきません。「あれっ、あれれ……」。
そんな時、ねずみくんが「こっちだよー」と出口を教えてくれます。
みーちゃんは「ぽん！」と頭を出してにっこり。
次は手をとおして、足をいれて……。
自分で「できた！」よろこびを、一緒に体験できる絵本。
服を着るのが苦手な子どもの背中をそっと押してくれます。

ぶーぶー鳴きながらあくびをするこ ぶた、そっと静かにあくびをするうさぎ……いろんな動物たちが、次々とあくびをしていきます。そろそろみんな眠くなってきたのかな？
動物の口の 部分がめくれるしかけになっていて、 めくるとそれぞれの口の中がのぞけます。ワニやカバはどんなふうに歯がはえているのかな？
しかけもたのしみ ながら「あくび！」。

ライオンのアーロは悩んでいました。
仲間のライオンは、昼間から草原にごろりと横になってスヤスヤと寝ているのに、全然眠れないのです。
みんなと同じように寝なくちゃと思ってはいるのですが、眠ろうと意識すればするほど、目は冴えてゆきます。
考えすぎて、ぐったり。
でも、でも、眠れません。
げっそりとした顔で夜のジャングルをさまようアーロの元へ、一羽のフクロウがやってきて、おだやかな気持ちになれるとっておきの歌を教えてくれるというのですが……。
はたしてアーロは無事に眠ることができるのでしょうか。

ケイト・グリーナウェイ賞受賞作家がおくる、おやすみなさいの絵本です。

ぞうくんは、いつでもどこでもちゃんとあいさつができます。道で友だちに会ったら「こんにちは！」。バスが混んだときは席を譲り「どうぞ」。友だちの家でも「こんにちは」と「おじゃましました」のごあいさつ。みんな礼儀正しくやさしいぞうくんが大好き！　ぞうくんのまねをして、自然とあいさつがしたくなっちゃいます。

小学校の先生から見た、クラスの子どもたちの一日を描いたシリーズの一作目。
授業が始まる前までの、朝の時間を描いた絵本。
朝早く登校する子もいれば、遅刻ぎりぎりの子もいます。学校に来られない子も。
クラスにはいろんな子がいて、毎日いろんなことが起こります。
文を担当された扇野剛さんは、兵庫県・淡路島の現役小学校教師。
先生は、どの子にもすてきなところを見つけているよ、とのメッセージが込められた絵本です。

きりょうがよくてはたらきもの「嫁」さんがいました。
だんだんよめさんの顔色がわるくなってきたので、しんぱいしたおっかさんがそのわけをきくと……。
昔話研究の第一人者、小澤俊夫さんの再話・監修。

夜、ひろくんとおとうさん、おかあさんが布団を並べて眠りにつく頃、いよいよ「ねぞうプロレス」が始まります。 まずは、ひろくんが布団のなかをくぐって、いつの間にか足元に移動し、相手を驚かせる「ふとんトンネル」の技を披露しますが、隣で寝ているおかあさんに気付かれて、元に戻されてしまいました。 しかし、ひろくんも負けてはいません！ おかあさんに向かって「とどかせないぞキック」！ おおーっと、これでは、おかあさんの手が届きません！ 次に、ひろくんは、反対側で寝ているおとうさんの方にじりじりと近付いてゆき……。 寝ている間にくるくると動く、子どもの寝相をプロレス技に見立てた絵本。 実況のような文章もゆかいです。 毎晩、子どもに技をかけられる、おかあさんやおとうさんは大変そうですが、親子にとって、愛おしく、かけがえのない時間であることは確か！です。

ミリーは学校の帰り道、ぼうし屋さんのウィンドーで、お気に入りを見つけます。欲しいけれど、ミリーのおさいふの中はからっぽ。
それを知った店長さんがお店の裏から持ってきてくれたのは、「とくべつなぼうし」。 「とくべつなぼうし」とは、大きさもかたちも、色も自由自在！　想像しだいで、どんな帽子にもなるのです。ほしいのはクジャクの帽子。おいしそうなケーキの帽子。
自分だけの、自由な想像力で姿を変える素敵な帽子、わたしも欲しいなあ。

「おふとんかけてほしいこ、だあれ？」の声に「はーい！」。
元気にお返事するのは、ぶたさん、ぞうさん、シマウマさんなどたくさんの動物の子どもたち。それぞれにぴったりの、カラフルなおふとんがとってもキュート！
おふとんの形に切り取られたページをめくって、みんなにおふとんをかけてあげたら、最後はわたしにも……。
おやすみ前に読んであげるのにぴったりの、かわいらしい絵本です。子どもって、おふとんをやさしくかけてもらうのって大好きです。四隅をとんとんも。

たまちゃんのふとんにねこのミーヤがやって来て、「さむくてねられやしない」。「こちらへどーぞ」。
たまちゃんとミーヤが寝ていると、Ｔシャツやら掃除機やら次から次へとやって来る。ふとんの中はもう、満員御礼状態。
みんなでワイワイあそんでいると、こんどはふとんが怒って、うるさくて
「ねられやしない！！」。
みなさ～ん、そろそろおやすみの時間ですよ。

ジャングルのみんなにおそれられている、カミソリのような大きな歯をもったこわーいワニのアラン。アランの歯は、驚くほどでっかくて、おっかない！　でもじつは、その歯には秘密がありました……。
もしきみがアランの秘密を知ったら、なんて声をかける？
ワニのアランは、ジャングルのみんなをこわがらせるのがたのしみです。
朝から出かけていき、歯を鳴らしたり、大声を出したりこわがらせるのに大忙し。
やっとゆっくりできるのは、沼の家に帰ってから。それからアランがすることは……。

太陽が沈むと、森の動物たちの目は「とろーん」としてきます。
ねずみやうさぎ、しかたちもあくびをして、もう瞼がくっつきそう。
「ぼくはちっともねむくない」と言って、歩きまわっていたくまの子も、大きなあくびが。
さぁ、夜の時間です。星空の下で、すこやかにおやすみなさい。
独特な色づかいが、神秘的で静かな夜を美しく表現していて、うっとりながめてしまいます。

いつもの朝。ジムが目を覚ますと、しっぽがはえて、りっぱなたてがみを持ったライオンになっていました。
おなかがぺこぺこのジムは、朝ごはんのしたくをしているママを「パクリ！」と食べてしまいます。それでもおなかが空いているジムは、街にくり出して……。
著者が、絵本作家のモーリス・センダックに捧げるというこのお話。奇妙でドキドキ、ページをめくる手が止まりません！

こうさぎのぼくは、ママの「おきるじかんよー、きがえてねー」の声に「やぁだ！」と答えます。
けれど、目の前のハンガーには、ぼくの好きな服が、ほら。
だから、「やあだ」と言いながらも、お着替えを。
そのうちお着替えが楽しくなり、「わーい、できた！」。
すると今度は「ごはんよー」とママの声。
反射的に、ぼくはまた「やぁだ！」。
だけど、目の前には大好物のニンジンが……。

外あそび、おやつ、おふろ、とママが言うことすべてに「やぁだ！」と答えてしまうのですが、実際にやってみると楽しいみたい。
子どもの成長の第一歩である、自我が芽生える時期を、楽しみながら、共感しながら、とたくさんの「ながら」と共に読める１冊です。